2004年01月08日

和解調書

豊島住民会議による解説・・・・・・昭和50年に発覚した、松浦庄助による産業廃棄物処理業の計画に対し、郷土への廃棄物の持ち込みによる自然環境、生活環境の悪化をおそれた豊島住民は、幾度と無く香川県に対し、氏の事業を認めないよう陳情・要請等を繰り返しました。

しかし、それにもかかわらず、香川県は、

(1)ゴミ処分場はどこかに必要。法の要件に従えば安全であり、住民が心配するような環境破壊や健康被害は起こるはずがない。また、廃棄物処分場をつくれば、過疎の進む豊島にも(活性化策として)有効である。それでも反対するなら、豊島住民のエゴである。

(2)事業者にも生きる権利があり、反対するのは事業者いじめである。

等の業者よりの指針を示し、許可をおろそうとしたため、豊島住民は廃棄物処分場建設差し止め請求訴訟を高松地方裁判所に起こしました。

同時に、いくら香川県が許可をおろそうとしても、産業廃棄物が持ち込めないように、豊島の西の端の松浦所有地に向かう道路端に杭を打ち込み、ダンプが入れないように道をふさぎ、杭を倒されないよう工作物損壊禁止の仮処分申請を同時に行いました。

しかし香川県は、ミミズ養殖は、そもそも畜産業の一種であって、環境汚染など起こすはずがない。・・・・・・として豊島住民に処分場の受け入れを強く要請したのです。

さらに、住民の根強い事業者不信の声に対しては、徹底した指導監督を約束したのでした。

こうした香川県の説得と要請を受け入れ、香川県を信頼して豊島住民の裁判は、昭和53年(1978年)の秋「和解」に至りました。
そして、同時に道路の杭も抜かれたのでした。

しかし・・・・・・


以下の文章のコピーおよび二次使用を禁止します。


和 解 調 書

松浦以外の氏名は伏せました。

事件の表示 昭和五二年(ワ)第一七四号、第二三六号
期日 昭和五三年一〇月一九日午後一時三〇分
場所 高松地方裁判所
裁判長裁判官 ・・・・
裁判官・・・・
裁判官・・・・
裁判所書記官・・・・
当事者の出頭状況等 別紙のとおり
(民訴法第一四三条第四号の事項)

手続きの要領等
当事者間に次のとおり和解成立

当事者の表示

原告 別紙目録のとおり
右訴訟代理人弁護士・・・・
同・・・・
同・・・・
香川県小豆郡土庄町豊島家浦二四四一番地一

被告 豊島総合観光開発株式会社
右代表者代表取締役 松浦 きよ子
右訴訟代理人
右訴訟代理人弁護士・・・・
同・・・・
同・・・・
香川県小豆郡土庄町豊島家浦二四四一番地一
利害関係人 松浦 庄助

請求の表示
請求の趣旨・原因は訴状記載のとおりであるから、これを引用する。

本件和解に至る経緯
原告らは、被告会社が原告らの居住する香川県小豆郡土庄町豊島において、産業廃棄物の処理業を企図したことに対し、原告ら住民の健康被害の発生及び郷土豊島の生活環境、自然環境の悪化を危懼し、被告会社に対し、産業廃棄物処理場の建設及び操業差止めの本訴を提起し、係争中であったところ、被告会社において、当初の事業計画を、みみずによる産業廃棄物の土壌改良剤化処分に変更する意向をを表明したことから、当事者間に和解の気運が生じ、当裁判所が数次に亘り、勧奨した結果被告会社が、みみずによる産業廃棄物の土壌改良剤化事業を操業、継続することを骨子とする左記和解が成立するに至ったものである。

和解条項
一  被告会社は、原告らの居住する香川県土庄町豊島において、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、単に「法」という。)一四条一項に基づく産業廃棄物処理業(以下単に「事業」ともいう。)を営むにあたり、豊島の生活環境及び自然環境の保全と向上を図るため、原告らに対し、次のことを確約する。

1 昭和五三年二月一日付で香川県知事から許可のあった産業廃棄物処理業について

(1) 法及び同施行令、同法施行規則並びに右許可にかかる許可条項、許可条件を誠実に遵守するほか、次の措置をとること。

(一)  産業廃棄物処理施設から排出される排水その他右事業によって生じる排水は、一切海には流さない。

(二)  排水は、施設周辺の集水池にためることとし、右集水及び近接海水は毎月一回、土庄保健所で検査するほか、毎年二回公的検査機関で精密検査をし、その結果を原告らの代表機関(豊島地区の家浦、唐櫃及び甲生各部落の代表者として、原告らが被告会社に指定する家浦三名、唐櫃及び甲生各一名計五名の代表者を指す。以下同じ)に報告する。
右検査に要する費用は、いずれも被告会社が負担する。
施設周辺の集水池には、鯉、鮒を飼い、常時水質の安全性を確かめる。

(三)  みみずの資料としての産業廃棄物及びミミズ飼育により得られた糞土は、野積みせず将来事業廃止の場合には島内に残さない。

(四)  産業廃棄物の収集、運搬、処分にあたっては、著しい騒音及び振動を発生させることのないよう配慮するほか、不測の事故が発生しないよう留意し、かつ災害の未然防止に努める。

(五)  被告会社が産業廃棄物及び糞土を運搬するについては、産業廃棄物処理施設以外の場所で積載物の積替えをしない。ただし、道路の損壊その他の事由により、大型車の通行ができない場合に限り、小型車に積替えて運搬することができる。
被告会社は使用道路の維持管理に努める。

(六)  業務に支障のない限り、原告らの代表機関の申出にかかる産業廃棄物の検体の抜き取り及び産業廃棄物処理施設への立入調査を拒否しない。

(七)  施設周辺の堰堤が台風豪雨等によっても崩壊、侵食されないよう、常に補強し、完全なものとする。

(八)  施設周辺の自然環境の保全に留意し、その緑化に努める。

(2) 許可期限到来(昭和五五年二月二九日)までの間、産業廃棄物処理業の種類を、みみずによる土壌改良剤化処分に限定し、法第一四条五項に基づく事業範囲の変更許可申請をしないこと。

(3)  みみず養殖施設の規模変更について法一四条八項、七条一〇項、同法施行規則二条の4の一項三号に基づく届出をする場合は、三ヶ月前に原告ら代表機関に書面で通知すること。

2 1の許可期限満了後の事業について

(1)  1の許可期限満了後も産業廃棄物処理業を継続する場合は、その事業の種類をみみずによる土壌改良剤化処分たる1の許可事業に限定し、右事業以外の事業は営まない。

(2)  1の許可事業を継続する場合には、1の(1)及び(3)と同様の措置をとること。

(3)  将来、みみずの飼料たる産業廃棄物の供給が絶え、もしくは真摯な企業努力にもかかわらず、営業上採算がとれなくなる等特段の事由により、1の許可事業が不可能となった場合に限り、原告らの代表機関と事前に十分協議をしたうえ、法一四条五項に基づく事業範囲の変更許可申請をすること。

(4)  右事業範囲の変更申請をする場合には、申請六ヶ月前に事業変更の具体的理由及び新事業計画の内容を原告らの代表機関に書面で通知すること。

(5)  事業範囲を変更する場合においても、法十二条五項一号、同法施行令六条の三、別表第三に規定するいわゆる有害産業廃棄物を取り扱う事業に変更許可申請することはしないこと。

(6)  前期1に定める事項及び2の(4)の手続きは、右事業範囲の変更をした場合にも適用する。(但し1の(1)の(三)の産業廃棄物及び糞土は変更後の産業廃棄物及び処理後の残物と読み替える。)

3 事業に起因して、原告らの生命、身体、財産及び生産活動に損害を与えたときは、誠意を持って損害賠償をするほか公害発生のおそれがあり、もしくは現に公害が発生したときは、速やかに操業を一時停止し、または、危害防止並びに除去の措置を講ずること。

二  利害関係人は、本件和解に基づく被告会社の原告に対する義務の履行を被告会社と連帯して保証すること。

三  原告らのうち・・・・、・・・・、・・・・及び・・・・の四名は、本件和解成立に伴ない、当庁昭和五二年(ヨ)第八〇号工作物損壊禁止仮処分申請事件を取下げ、原告らは別紙物件目録記載の工作物を、七日以内に撤去すること。

四  原告らはその余の請求を放棄する。

五  訴訟費用は原告らと被告会社の各自弁とする。

裁判所書記官・・・・

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