2004年01月09日
調停申請書写し
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このページは平成5年11月11日に申請した調停申請書を写したものです。
なお、香川県の職員名・排出企業名等は伏せております。
イタリック文字は、豊島住民会議による解説の部分です。
平成5年11月11日
調停申請書
申請人は、公害紛争処理法第26条第一項の規定にもとづき、下記のとおり調停を申請します。
香川県知事殿
申請人代理人 弁護士 中坊 公平 他4名
第一 当事者
申請人ら 別紙申請人目録記載のとおり(豊島住民549名)
被申請人ら 別紙被申請人目録記載のとおり(香川県・香川県職員2名・豊島総合観光開発㈱関係者・排出事業者21社)
第二 公害に係る事業活動の行われた場所及び被害の生じた場所
(割愛します)
第三 調停を求める事項
一 被申請人らは、共同して別紙物件目録記載の香川県小豆郡土庄町豊島家浦字水ヶ浦3151番地の1外49筆の土地約28.5ヘクタール(別紙図面赤斜線により示される部分 割愛します)上に存在する廃油、廃酸、汚泥、廃プラスチック類、紙屑、燃えがら、鉱さい、その他一切の産業廃棄物を、同土地上から撤去せよ。
二 被申請人らは、申請人ら各自に対し、連帯して金50万円を支払え。
との内容の調停を求める。
第四 調停を求める理由及び紛争の経過
一 当事者
1 申請人ら
申請人らは、被害の生じた場所である香川県小豆郡土庄町豊島(以下、豊島という)で生活する住民(世帯主)であり、被申請人豊島総合観光開発株式会社(以下、被申請人会社という)が引き起こした産業廃棄物に関する問題を解決することを目的として、豊島の大多数の世帯主により平成2年11月28日に結成された「廃棄物対策豊島住民会議」の構成員である。
2 被申請人ら
(一)被申請人香川県(以下、被申請人県という)は、その知事(以下、知事という)において、産業廃棄物処理業者に対して、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(但し平成3年改正前のもの。以下、廃棄物処理法という)第14条第1項に基づき、産業廃棄物の収集、運搬及び処分の業務についての許可を与え、同条第8項に基づき、許可を受けた者が同法又は同法に基づく処分に違反する行為をしたときは、その許可を取り消し、又は期間を定めてその事業の全部若しくは一部の停止を命じ、第18条に基づき、産業廃棄物処理業者からの報告を徴収し、第19条に基づき、立ち入り検査をし、第19条の2により原状回復を求める措置命令をする権限を有するなど、産業廃棄物処理業者を指導監督しべき立場にあったものであるところ、後述のとおり、その指導監督義務に違反したのみならず、被申請人会社及び同松浦庄助の犯罪行為に積極的に加担して、同人らにおいて別紙物件目録記載の香川県小豆郡土庄町豊島家浦字水ヶ浦3151番地の1外49筆の土地約28.5ヘクタール上に大量の産業廃棄物を持ち込んで、これを焼却、埋立をすることを容易にし、申請人らに健康上及び精神上の損害を与えるなどした者である。
(二)被申請人I及びK(匿名とします)(以下、被申請人Iらという)は、昭和53年から平成2年11月16日までの間、産業廃棄物処理業者を指導監督する担当課である香川県環境保険部環境総務課(昭和57年から環境自然保護課に組織変更)の職員として、上記の知事の違法行為を現実に行った者である。
(三)被申請人会社は、産業廃棄物処理業を行うことを主たる目的とする株式会社であり、昭和55年頃から平成2年11月16日までの間に、廃棄物処理法所定の許可を受けないで、別紙被申請人目録7ないし28記載の被申請人H株式会社(匿名とします)(以下、被申請人Hらという)その他から委託又は再委託を受けて、廃油、廃酸、汚泥、廃プラスチック類、紙屑、燃えがら、鉱さいその他の産業廃棄物を収集し、本件処分地に搬入し、焼却や埋立をするなどしてこれらを処分した者である。
(四)被申請人松浦庄助は、被申請人会社の実質的な経営者として、被申請人会社とともに上記(三)記載の犯罪行為を行った者である。
(五)被申請人松浦信一は、被申請人松浦庄助の実父かつ本件処分地のうち約27.7ヘクタールの所有者であり、これを被申請人会社に賃貸して同会社の経営に参画した者である。
(六)被申請人Hらは、被申請人会社に対して直接に又は第三者を介して、その事業にかかる産業廃棄物の処分を委託してきた者である。
二 豊島の概要
豊島は、瀬戸内海に散在する小島の一つであり、小豆島の西方に位置する面積14.61平方キロメートル、人口約1600人の島である。島の中央部には壇山(標高339.8メートル)があり、その西側、東側及び南側に、それぞれ家浦(いえうら)、唐櫃(からと)及び甲生(こお)の3つの集落が形成されている。
主たる産業としては、比較的豊富な水源を利用した米作やみかんの畑作、酪農等の農業、のり養殖やハマチ養殖を中心とする漁業及び地元に産する豊島石の加工、販売業があげられるが、高度成長期においていずれも相当に衰退し、人口の過疎化と高齢化が進行している。
豊島周辺の海域には、小豆島の他に、小豊島、井島、直島など小島が散在し、これらの島々とその海岸が、瀬戸内海国立公園にふさわしい美しい景観をかたちづくっている。また周辺の海域は、豊かな漁場であり、アサリやサザエ、アワビ等の磯根資源も豊富である。
三 紛争の経過
1 従前の紛争と和解の成立
(一)被申請人会社は、昭和50年12月に、知事に対し、本件処分地において、廃棄物処理法第14条第1項に基づき、有害産業廃棄物処理業を行うことについての許可をf申請した。
これに対し、申請人ら住民は、有害な産業廃棄物が島内に持込まれることにより、自然環境や生活環境が破壊されて住民の健康や生活が脅かされるおそれがあること、農業や漁業にも深刻な影響が生じる可能性があることから、被申請人会社の産業廃棄物の島内持ち込みに反対する運動を行い、知事や香川県議会に対し、許可を行わないように強く要請する等した。
(二)これら住民の反対運動にもかかわらず、知事は、昭和52年6月に産業廃棄物処理業の許可申請を受理したため、豊島内の大多数の世帯主583名が原告となって、同月28日に、高松地方裁判所に対し、被申請人会社を被告とする産業廃棄物処理場建設等差止請求訴訟を提起した。
(三)被申請人会社は、昭和52年9月、事業内容をみみずによる土壌改良化処分業に変更し、知事は、昭和53年2月1日、被申請人会社に対し、収集、運搬及び処分にかかる産業廃棄物を、無害である汚泥(製紙汚泥、食品汚泥)、木くず及び家畜のふんに限定して、これを許可した。
(四)被申請人会社は、上記訴訟において、原告住民との間で、昭和53年10月19日、裁判上の和解を行い、被申請人会社の事業に起因して、原告住民の生命、身体、財産及び生産活動に損害を与えたときは、誠意をもって損害賠償をするほか、公害発生のおそれがあり、もしくは現に公害が発生したときは速やかに操業を一時停止し、または、危害防止並びに除去の措置をとることを約し、被申請人松浦庄助は、当該義務の履行を連帯保証した。
2 被申請人会社らの犯罪行為(廃棄物処理法第25条第一号、第14条第一項、第五項違反)
(一)被申請人会社は、昭和53年4月より、みみずによる土壌改良化処分業を開始したが、当初より古タイヤなどを搬入して野焼きするなどの違法行為を行っており、昭和58年ころには事実上みみずによる土壌改良化処分を廃業し、そのころから自動車解体過程において発生するシュレッダーダスト(廃プラスチック類、ゴム類、ガラス類等の混合物)や、有害物質を含んだ廃油、汚泥その他を収集して本件処分地に搬入したうえ、一部を廃油とともに野焼きし、残りを汚泥等とともに埋め立てるようになり、昭和59年以降は、より大量の産業廃棄物を搬入するため、従前ダンプカーにより産業廃棄物を搬入していた方法に加えて、自らカーフェリーを購入し、これを運搬船に改造して産業廃棄物を大量に運搬するようになった。
被申請人の会社の取引先は拡大しつづけ、搬入される産業廃棄物の種類も増え、その量は飛躍的に増大した。
(二)被申請人Hらは、自己の委託にかかる産業廃棄物について、被申請人会社が収集、運搬及び処理を行う許可を有していないことを知りながら、これを委託し続けた。
(三)兵庫県警は、平成2年11月16日に、廃棄物処理法違反の容疑で被申請人会社に対する強制調査に着手し、同社による野焼きや埋立はようやく同日をもって終息した。そして神戸地方裁判所姫路支部は、平成3年7月18日に、被申請人会社を罰金50万円に、被申請人松浦庄助を懲役10月に処する等の判決を言渡し、これらの者の行為が犯罪であったことが明らかになった。
3 被申請人県の監督義務違反と犯罪加担行為
(一)被申請人県においては、昭和53年当時、環境保健部環境総務課が、同57年には組織変更により、環境自然保護課が、産業廃棄物処理業者に対する指導監督の担当をしていた。
そして、被申請人会社に対する指導監督の担当者は、被申請人Iらであった。
被申請人県は、住民に対し、昭和53年に被申請人会社に前記の産業廃棄物処理業の許可を与えるに際し、住民の強い反対があったことから、住民に対し、同会社を重点的に監視し、指導を行うことを約しており、これに基づき被申請人Iらは、昭和53年から同60年にかけては平均して1ヶ月に1回程度、本件処分地に立ち入り検査を行っていた。そして、昭和61年以降の立ち入り検査の回数は、平均して2ヶ月に1度程度であった。
(二)被申請人Iらは、本件処分地への立入検査により、当初から被申請人会社の違法行為を確認しており、さらに昭和58年ころから、被申請人会社が、みみずによる土壌改良化処分業を廃業しており、許可を受けていない産業廃棄物を搬入して野焼きや埋立を行っていることを知悉しながら、形式的、表面的に口頭又は文書による指導を行うのみで、これに従わない被申請人会社に対してなんら実効性のある措置を講じることなく放置し、この被申請人県の態度は、被申請人会社が兵庫県警の摘発を受けて事業を停止するまで継続した。
(三)のみならず、被申請人Iらは、昭和57年後半ころに、被申請人松浦庄助に対し、金属回収業の原料として購入するシュレッダーダストは産業廃棄物ではなく、有価物であるから許可は不要であるとのべ、加えて、被申請人会社において香川県金属くず取扱業に関する条例にもとづく金属くず商の許可を受けるように積極的に指導した。
これにより、被申請人会社は、違法な産業廃棄物の処分を適法な金属回収業であると見せかけることが可能になった。
(四)被申請人県は、昭和59年9月に、豊島自治会連合会からの公開質問状に対し、文書により、シュレッダーダスト等は産業廃棄物ではなく有価物であり、被申請人会社は金属回収業を行っているのであるから、廃棄物処理法の許可の対象にはならないと回答した。
その後、被申請人Iは、申請人ら住民への説明会等の席上において、質問や取締の要請に対し、一貫してシュレッダーダスト等は有価物であり許可の対象にならないこと、したがって県としては被申請人会社に対して有効な措置を取ることができないなどと誤った見解を意図的に述べ続けた。これにより、申請人ら住民は、被申請人会社の行為に異議をとなえることが困難になり、沈黙を余儀なくされた。
また、被申請人Iは、被申請人会社に対する司直の追求を免れさせるべく、兵庫県警の摘発以前においてなされた司直の捜査に対してさえ、被申請人会社の行為は適法である旨を述べて、同会社を養護した。
(五)被申請人県は、担当者被申請人Iらの言葉を鵜呑みにして、被申請人会社が兵庫県警の摘発を受けた平成2年11月16日においても、被申請人Iらと同様の見解に固執し、同年12月20日に至って、ようやくシュレッダーダスト等は産業廃棄物であり、従前の自身の見解が誤りであったことを認めた。
被申請人県は、平成2年12月28日に、被申請人会社に対し、みみずによる土壌改良化処分についての許可を取り消すとともに、申請人らの強い要請により、やむなく本件処分地に放置されている産業廃棄物を撤去せよとの内容の措置命令は行ったものの、被申請人会社にはその意思も能力もなく、当該措置命令は実現していない。そして、被申請人県は、被申請人会社の上記命令違反を容認、放置し、他方において申請人らの強い要請にもかかわらず、行政代執行を行うことを拒否している。
四 本件処分地の現況と産業廃棄物撤去の必要性
1 そもそも法定の設備を備えた最終処分場でない本件処分地上に、有害物質を大量に含んだ推計60万トンを下らない産業廃棄物(被申請人会社所有のカーフェリーの稼働状況から推計した数値である)が野積みされている現在の状況は、被申請人らの違法行為に基づき生じた結果であり、最終処分場が満たすべき技術上の基準を詳細に定めている廃棄物処理法や同法施行令その他に反する明白な違法状態である。
2 本件処分地上の産業廃棄物やたまり水からは、有害物質である鉛、水銀、カドミウム、PCB、ひ素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンが検出されている。また毒性が極めて強いダイオキシンについては、検査がなされていないが、廃プラスチック類が野焼きされていたことや、製紙汚泥が埋め立てられていることからすると、同物質が存在している可能性が高い。さらに、持ち込まれた可能性がある放射性物質の有無についても、十分な調査はなされていない。
そして、本件処分地に降り注ぐ雨水は、産業廃棄物の層を透過して、これに含まれる有害物質とともに海に流出している。その結果、周辺海域の汚染が緩慢に進行しており、申請人らが日常的に食べている魚介類の汚染を通じて、申請人らの健康が害されるおそれが生じている。また、時間の経過とともに有害物質が飛散し、申請人らの居住する地域や田畑に降り落ちるおそれが生じている。
仮に、本件処分地上にこのまま膨大な産業廃棄物が存在し続けるならば、申請人らは今後半永久的に有害物質に対する不安な思いをかかえたまま生活せざるをえない。
3 また、豊島は瀬戸内海国立公園に属し、本件処分地を含む一帯は自然公園法上の自然公園普通地域及び自然公園第二種特別地域に指定されている。そして、本件処分地周辺の海岸は、周囲に散在する小島と一体となって美しい景観を形成していた。
ところが現在の本件処分地は、被申請人会社の土取りとその後の膨大な産業廃棄物の搬入により無残な姿となり、その景観を台無しにしている。そして本件処分地上の産業廃棄物が放置されるならば、破壊された景観は復元されることなく。「産業廃棄物の島」としての豊島のイメージが固定化され、観光客や釣客の足が遠退くなどにより、申請人らが多大の有形無形の不利益を被り続けることは明らかである。そして申請人らがこれらの不利益を甘受しなければならない理由はどこにも見出すことはできない。
以上によれば、本件処分地上の産業廃棄物を直ちに撤去する必要性があることは明らかである。
五 環境破壊と住民の被害・損害
1 申請人らは、被申請人らの違法行為により、8年近くの長きに渡って、それまで享受していた静ひつな生活環境及び豊かな自然環境を破壊され、具体的には以下のとおり、生活上、健康上及び精神上の被害を被った。
① 産業廃棄物を満載したダンプカーがひっきりなしに生活道路を走行したために、通行上危険にさらされ、ダンプカーの騒音、振動、排気ガスによる被害を被った。
② 大規模な野焼きが常時行われていたため、これに伴う有毒成分を含んだガスと煙が島内を漂い、これが長時間継続すると頭痛を生じた。また洗濯物が煤煙で汚染され、戸外に干せなくなるなど生活上の被害が生じた。
③ 狭い島の中に膨大な量の産業廃棄物が放置されており、しかもこれらの産業廃棄物には前記のとおり相当の有毒物質が含有されていることが明らかになったことから、日常的に食べている魚介類が果たして安全なものであるかについて深刻な不安が生じ、現在においても、その不安は継続している。
④ 被申請人松浦庄助及び同会社が産業廃棄物処理法違反で検挙された結果、豊島は「産業廃棄物の島」として全国的に知られることになり、豊島に住み、美しい豊島を愛してきた申請人らは、著しくその誇りを傷つけられた。
2 以上の損害を金銭に評価するならば、申請人らの損害は、一人につき金50万円を下らない。よって申請人らは、被申請人らに対し、各自金50間年の損害賠償請求権を有している。
六 被申請人らの責任
1 被申請人県の責任
(一)すでにのべてたように、知事は、廃棄物処理法に基づく様々な権限を有し、被申請人会社を指導監督すべき立場にあった。そして、被申請人会社は、当初の頃より、許可を受けていない産業廃棄物の搬入と処分を行い、昭和58年にはみみずによる土壌改良化処分業を廃業し、昭和59年以降は改造したカーフェリーを使用して大量のシュレッダーダストや廃油その他の産業廃棄物を搬入し、これらを野焼きし、あるいは埋め立てていたのであって、被申請人Iらはこの状況を知悉していた。
なお、シュレッダーダストや廃油が産業廃棄物であって有価物でないことは、関係者にとっては常識であり、少なくともそのことは、そのコストや採算性等を調査確認しさえすれば極めて容易に判明することであった。
そして知事は、その権限に基づき、被申請人会社に対し、許可を更新せず、許可を取り消し、若しくは事業の停止を命じ、さらに措置命令を速やかに発することが可能であり、かつこれを行うことにより、被申請人会社の犯罪行為は、未然にあるいは少なくとも初期の段階において阻止することができたはずであった。
以上によれば、知事は、これらの権限を行使して被申請人会社の違法行為を阻止すべき義務があったのであり、それにもかかわらずこの義務に反して必要な指導監督を行わなかったのであるから、知事はこの指導監督義務に違反したことについて責任がある。
(二) 上記の知事の不作為は、それ自体で被申請人県の責任を問うに十分であるが、これに加えて知事は以下の点において著しい違反を犯している。
すなわち、被申請人県は、同会社に対しては産業廃棄物であることが明らかなシュレッダーダスト等を有価物であると認定し、合わせて金属くず商の許可を受けるように指導して脱法行為をさせるとともに、対外的には申請人ら住民に対して、明白な違法行為を適法行為であると強弁して、被申請人会社に対する批判を圧殺する等、積極的に被申請人の犯罪行為に加担し、これを助長した。
その結果、知事は申請人らに対して前記五の被害を与え、かつ前記四の違法状態を現在なお継続させているのであるから、被申請人県は、知事の行為に基づき、本件処分地上に存在する産業廃棄物を撤去し、申請人らに対して損害を賠償する責任がある。
2 被申請人Iらの責任
被申請人Iらは、被申請人会社及び被申請人松浦庄助の犯罪行為に加担した者であり、職権を濫用して違法行為を行い、前記四の適法状態を現在もなお継続させているのであるから、個人として本件処分地上に存在する産業廃棄物を撤去し、申請人らに対して損害を賠償する責任がある。
3 被申請人会社、同松浦庄助及び松浦信一の責任
被申請人会社は、上記の犯罪行為を行った実行正犯であり、本件処分地上に存在する産業廃棄物を撤去し、申請人らに対して損害を賠償する責任があることは、前記の和解条項の内容からしても当然であり、被申請人松浦庄助も同様である。また、被申請人松浦信一は本件処分地の大部分を被申請人会社に賃貸し、同会社の経営に参画していた者として同様の責任がある。
4 被申請人Hらの責任
被申請人Hらは、被申請人会社が違法な産業廃棄物の処理を行っていることを知っていたにもかかわらず、被申請人会社の処理料金が安価であることから、その事業所所在地において、産業廃棄物の処理を被申請人会社に委託することにより、被申請人会社に違法行為をなさしめたものであり、前記四の違法状態も現在もなお継続させているのであるから、他の被申請人らと同様の責任を負わなければならない。
七 結語
以上の次第により、申請人らは、美しい豊島を自らの手により取り戻すため、被申請人らに対し共同して本件処分地上の産業廃棄物の撤去を行うこと及び損害の賠償として申請人各自に対し金50万円の支払いを行うことを求めて、本調停の申立に及んだ。
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